各人材ビジネスの市場動向
人材紹介市場
- 人材紹介市場は、ホワイトカラー職種の人材紹介業とその他の人材紹介業、エグゼクティブサーチ業(ヘッドハント型)に分けられる。ここでは特に、ホワイトカラー職種の人材紹介業とエグゼクティブサーチ業について調査したことを書く。 平成16年度の有効求人倍率は平均0.86 倍で、前年度の0.69倍を上回った。厚生労働省の労働経済動向調査によると、専門・技術職と販売職の労働力は恒常的に不足し、管理職、事務職、単純工の労働力は供給過剰となっている。平成13 年8 月の総務省労働力調査特別調査によると、最も多い求職方法は、求人広告・求人情報誌で36.8%、次いで公共職業安定所への申込みが35.6%となっており、民間人材紹介所への申込みは2.1%にとどまっている。ただし、ホワイトカラーに絞って見ると、企業の人材募集において、民間の人材紹介会社とエグゼクティブサーチ会社が果たす役割は大きい。労働省の「ホワイトカラーをめぐる採用戦略の多様化に関する調査」によると、特に管理職の場合、民間の人材紹介会社を利用するケースが29.7%と最も多く、ヘッドハンティング会社(エグゼクティブサーチ会社)の利用も14.9%に達している。ホワイトカラーの募集においても、求人情報誌の利用率は高い。 日本人材紹介事業協会によると、2000 年度の事業所数は4,675事業所で前年より25.4%増えた。新規許可数は1,176事業所に達し、増加数、増加率ともに過去10 年間で最高となった。99年度の法改正で紹介業種が拡大され、さらに2000 年12 月からは紹介予定派遣が解禁になったことを受け、多くの人材派遣企業が紹介事業許可を取得したため、ホワイトカラー層向けの人材紹介事業所数は、前年比109%増の1,976 煮達した。ホワイトカラー向けの事業所は、その後も増加を続け、2002 年度には3,246 となっている 。日本の民間人材紹介市場は、1960 年代半ばから形成された。現存企業で最も古いのは、1966 年設立のケンブリッジリサーチ研究所である。日本の人材紹介市場は、大企業の系列企業が多いこと、規模の小さい企業が多いことが特徴である。実際に全事業所の8 割が10人以下の事業所であり、うち6 割が従業員5 人以下である。大手を除き、ほとんどが専門分野に特化し、その時代で需要の大きい分野を扱っている。大手人材紹介企業としては、リクルートエイブリック(2005年3 月期決算で約203 億円 )、インテリジェンス(2005年9 月期決算で約350億円 )、キャプラン(2005年3 月期決算で約139億円 )などがある。今後は、大手企業のように他業種に対応できるブティック型と専門型の二極化がますます進むだろう。ホワイトカラー向け人材紹介企業は求職者へのカウンセリングサービスの質の向上に努めている。さらに、よりよい人材を求人企業に紹介するため、インターネットで紹介事業を展開する人材紹介企業も増えた。1999 年には、ウェブ上で候補者をスクリーニングするビジネスモデルを持つフュ-チャーステップ社が設立された。同社は、クラインアント企業から依頼があると、求人案件ごとに独自のウェブサイトを作成する。求職者にウェブ上でキャリアアセスメントを受けさせ、クライアントの要望する求職者をスクリーニングした後、同社は、選別した応募者を実際の面接で更にふるい落として、最終的な候補者をクライアントへ紹介する。日本のエグゼクティブサーチ市場は、1972 年に日本コーンフェリーとエゴンゼンダーインターナショナルが設立されたことをきっかけに生まれた。日本企業で最も古いのは、1975年に設立された東京エグゼクティブサーチである。80 年代までは、日本に進出してきた外資系企業が主な顧客であったが、90 年代からは日本企業の依頼が増えた。エグゼクティブサーチ市場の規模は、業界では150 億円から300 億円(手数料ベース)とも言われるが、定かでない。海外の大手エグゼクティブサーチ企業を除いた主な企業としては、前述の東京エグゼクティブサーチやイーストウェストコンサルティングが挙げられる。
人材派遣市場
- 2000 年に世界の人材派遣市場において各国が占めるシェアは、米国が45%、欧州が38%、日本が7%、その他が9%であった。日本派遣市場の規模は、米国、英国、フランスに次いで世界第4 位である。2001 年8 月の総務省労働力調査特別調査によると、役員を除く雇用者に占める派遣社員の割合は0.9%であった。日本の人材派遣市場には、メーカーや商社、金融機関の子会社であるいわゆる資本系派遣会社が多数参入している。月刊人材ビジネスの調査によると、人材派遣市場に占める比率は、資本系派遣会社が55%、独立系派遣会社が35%、外資系派遣会社が10%となっている。日本人材派遣事業の歴史は、1966 年、マンパワー・ジャパンの設立から始まった。市場は80 年代後半の好況時に急激に発展したが、91 年のバブル経済崩壊後に落ち込み、90 年代半ばに再び拡大に転じた。2000年度の市場規模は1 兆6,700 億円(前年比14%増)であった。97 年と99 年に実施された二度の規制緩和により、派遣の適用対象業務は大幅に拡大され、市場の発展に貢献した。法改正に伴い、人材派遣事業所の数が大幅に増えた。2000 年12 月に紹介予定派遣が解禁されたことにより、人材派遣事業と人材紹介事業の許可を併せて取得する事業者が増加した。2000 年度の一般労働者派遣事業所数は4,023(前年度比20%増)、特定労働者派遣事業所数を含む全体数は10,330(6.7%増)となっている。